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第4幕
夏を待つ5月の朝。
「なんで、士官学校なんかに来なきゃいけないんですか。」 原は、笑った次の瞬間、廊下を歩いてくる士官学校の生徒の顔を見て、笑いをちょっと止めた。 センスのない眼鏡をかけた男とすれ違う。 ぱっとしない人。と、思った。
善行は、女の嬉しそうな笑い声をきいて、あごをさすった。 そう言えば、最近女性と話もしていなかったことに気付いて、頭を掻いた。 (いけませんねぇ…このままじゃ首から下まで軍隊に漬かってしまう。)
「ミスター。こちらです。」
「さっきの女性達は、なんですか。女性士官候補生には見えませんでしたが。」
若宮は善行を見て言った。 |
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