ダ ー リ ン & エ ク ソ ダ ス
とにもかくにもお家の存続…子孫を残そうという王家が考え出した制度。後宮とも言う。
 トゥウェルプ・テラの東部支配者階級では、国家安泰の美名の下、貴重な水素の心臓を遺伝させようと、こうした制度を使っていた。

 確率は低いが、自然生殖で<水素の心臓>ごと、形質を遺伝させることがあることを、彼らは体験的に知っていたのである。

 ハーレムと言えば男子の夢と思われる向きもあるが、世の中には、そういうのが嫌いな御仁も居る。まあ世界は広いのである、そういう男も一人や二人はいる。
 だいたいだ、実際後宮入りした女性達と話していると、まともな神経している奴はげっそりするのである。今回の主人公は、そのげっそり組の中で、ちょっとした行動力があるほうだ。

 そう、今回の主人公は、世間一般では恵まれているように見えて、本人としてはひどく不快な思いをしている少年なのである。

キャラクター 【NEXT】
クーンハット・シンシータグ
第1王子
 <AD世紀の神々>と言われる最強の心臓を持ちながら、平凡な生き方を目指し、地上に降りて人々と交わる事を選んだシンシータグ家の最後の末裔。13歳。

 <神々の軍勢>に出てくる、シンシアの遠い子孫である。
その名字は、シンシアの息子の意。

 遠い祖先の血を色濃く受け継いでおり、祖先と同じく、やっぱり自分の力で、自分の生き方をしたいと考えている。ありていに言うと出奔であり、こんな形だけの王家なんか滅んでしまえと考えている。
 母は自分を産むために死に、父は暗殺され、以後の養育は最後まで残った老執事夫婦がやっている。

 細い体に、ごてごてした王家の装束を身につける。没落している事が幸いしてか、素直にまっすぐ育った、人に好かれるという点では空前絶後の才能を持つ少年である。

 13の誕生日に、同時に10人の妻(家が没落しているのでたったこれだけと関係者の涙を呼んだが、当事者にとってはとんでもない)を持ってしまった。

 数々の能力を持つが、己の意志で力を押さえつけ、人間として生きることを選んでいる。

妻達の何人かに協力を要請し、王家からの脱出を画策する。
 後、各地を巡った後で本国に戻り、偉大な王として君臨した。
 

アリシア・キャントナーバ  ウーツェーの巫女王を代々輩出するキャントナーバの姫君。キャントナーバはシンシータグ王家の正妻を代々出す事でも知られる。

 生まれた瞬間からクーンハットの妻となる運命を持った少女。13歳。

先見と星読みの力を持つ3つ目のおでこ娘ちゃん。
 長い間星読み司処である星の神殿で教育を受けた後、莫大な持参金とともにクーンハットに嫁いだ。
 すこし、ぼぉっとしたところがある、心優しい人。神殿での教育効果か、自分の事は自分でやるという、普通の姫君にはない能力がある。
 自分の立場には不満なく、というより、疑問を持ったことがない女性。YESウーマン。

 小さい頃から、王子のことをずっと考えていたのは確かだが、クーンハットを慕うのは、義務なのか、それとも自分の心なのか、そんなことを言葉として考える事が出来ず、漠然とした不安を覚えている。

病弱。力を使うたびに、伏せる生活をしている。
 王子に見舞われて、かぶった布団からはみ出た額の目が、うるんだ。
 

セリフ
「…あの、ばあやから聞いたのですが…子作りは、しないのですか。」
「…あの…申し訳ありません。…なんでも…ありません。」
 

セイ・サードランド・バリエド  パサパサした、隣国バリエドの第17王女。本人は第16王女と主張してやまない。双子の姉が居るのだ。確かに古法に従えば、双子の場合、後に生まれたほうが兄(姉)になるので、それは正しい事になる。
 もっとも、王女の場合難産で、生まれるのに12時間も差があるから、バリエド国では、通常の姉妹として先に生まれたほうを姉としてしまった。
 本人にとっては、これが痛くお気に召さなかったようで、この話題に触れられると、くどくど愚痴を述べられてひどいめにあう。

 ショートカットでボーイッシュな王女。軽装で、大きすぎると思われる一振りの剣を担いでいる。

 王家とは公共の存在であり、パブリックな(公共の)ものであるという考えのバリエドの者らしく、羞恥心0の人物で、ところかまわず服を脱ぎ捨てたり、あられもない格好で王宮(というには小さいが)の中を歩いたりする。
 料理家事その他すべて全滅。朝起きることも布団をめくるのも、他人がやってくれないと駄目という人物であるが、不思議と、傲慢な感じはしない。
 すぐお礼を言うしつけと、公平にして面倒見が良いという躾もされているせいであろう。
説教臭く、すぐ王家の務めなるものを教えにかかる。

 男勝りの女傑であり、剣技に関しては自信がある。クーンハット王子を相手に、毎日修行に余念がない。自分が徹底的に手加減されていることには気付いてない。
 クーンハット王子の親友みたいなもので、あまり、後宮に入っているという感覚はなさそう。
 

セリフ
「そーか、王子が出奔するとなると、私は出戻りになるな…まあいいか。王子、私はそういう処も含めて、お前が好きだ。私には王家の務めがあるから。お前について出奔できないが、お前の幸せを願っている。」
「…やっ、やっぱり駄目だ。王子。…勝負しろ、剣で。お前が負けたら、…王になれ。私の夫として。」
 

カエデ・モミジ・クーニャン  由緒正しい愛玩奴隷系猫娘。多産と愛情深いので、「その気でない」王子や姫君を、その気にさせるためのアテ馬として、後宮入りしている。
 ベットの上の3人目として、良く王家で使われる性質の娘である。
間違いがないように手術が施されている。

 頭が悪く、早口でしゃべられると困ってしまう。そうなると困ったように、あるいは媚びたように微笑む。それが癖。カタコトでしか喋れない。

あまりにすがすがしい(笑)後宮に業をにやした執事に叩かれる。

 任務のために、良く王子に近づくが、その度にやさしく追い返される。
髪をなでていると、そのうち眠ってしまうという悪癖がある。昼寝癖あり。とにかく良く寝る。夜はいつも起きているが。

 王子や周囲が優しいのでこの場所は居心地がいいと思っている。
王子は、すごく好き。王子がその気にならないせいで、執事様にぶたれても、王子は好き。ずっと一緒に居れたらいいなと思っている。
 

セリフ
「王子、キョーコソハ、イイコト、シヨウネ。」(すりすり)
「…」(困ったように、あるいは媚びたように微笑んでいる。)
 

キム・レーヒ・ディードリヒ  クーンハット王子の低学・中学の学友にして、幼なじみと言っても良い人物。
すこしすました感じがある。王子とは半年違いの14歳。
 学校では悪ガキだった王子とは逆で、才媛として人気が高かった。
学校時代から仲が良かったが、なんであの二人が仲がいいのか、全員が首をひねるデコボココンビである。
 なれそめは、豪華ではあるが冷え切ったご飯を食べている王子を家に連れ帰って、手作りの料理をたべさせた事からだという。

 民間人出身。自分から進んで夫人になることを選び、学校をやめて、今の地位にある。父は熱心な民主主義者であり、娘の心変わりに心を痛めて王子を憎んでいる。(父:「娘は騙されたのだ!」)

 たいへん嫉妬深い。王子に手をあげることが出来て、ほとんど同次元の低レベルな口喧嘩をやれる娘である。他の夫人とも一部を除いて猛烈に仲が悪い。どーせ私はガサツですよ!なんて言える娘。

 脱出に関しては、そう来るだろうと完全に読んでいた節があり、積極的に協力する。
 

セリフ
「え? …なんで、後宮入りしたかですって? …だって、クーンハットくんが困ってるかなって、思ったの。 どうせ、灰色気分だったんでしょ?」
「逃げるんでしょ。そう言うと思った。…これ、地図。着替えてて良かった。…私もいくに決まってるでしょ?…なによ。ここで大声出されたい?」
 

ベアトリス・ホワイトクーガー  19歳のゴイスバデー系インテリお姉さん。眼鏡をかける。
グラバレアの魔女と言われた人物と、豪商の間に生まれた娘で、母の血が濃いと思われたのか、商略兼ハクつけ及び、本人申告やっかいばらいのために、シンシータグ家に嫁いだ。

 本人は、一大恋愛で裏切られ、失恋した後であり、もうどうでもいいという気分だったらしい。

 達観した女性で、外の事に興味津々な王子に、色々物事を教え、あろうことか母から固く禁じられていた魔法(水素の心臓の設計システム)まで教えてしまう。
 優秀な弟子を持った教師は、えてして無報酬で全てを教えてしまうから、これはその典型例と言えよう。

 少しづつ、王子のまっすぐな瞳にひかれる。年の差を、人よりも、ずっと気にしながら。
他の夫人、特に年少の夫人とは師弟関係に似た交友関係を暖めており、その広範な知識を利用して色々な相談に乗っているようである。

 王子のためにちょっとした株式で大金を儲けては、王子に分からないように、傾いた王家を支えている。
 早くから王子の能力に気付いており、それを隠そうとしているところを、好ましく思っている。

 いざとなれば、王国全土を火の海にする覚悟を持った炎の魔女。身体に力の象徴たる心臓の刻印を持つ。
 

セリフ
「王子、そんなに悲しい顔をするな。数学には数学のよさがあるぞ。女と同じだ。優しく教えてやるから、試してみろ。」
「…言っておくが、王子を傷つければ、この王国全土を核の炎で焼き尽くす。選択しろ。そこで自決するか、家族や、お前の主を含むすべてを焼いて死ぬか。選べ。」
 

ディアナ・ポセイドナ  王国内にある小王国<カズン自治王国>の姫君。
カズンは王国のド田舎山渓の川に存在する淡水性人魚の国家で、そのあまりの小ささと利権の小ささ、そして王国成立前にシンシータグの者に協力したよしみから、独立を保った少数民族国家である。
 普段から水の中に居る事を好み、よほどの事が無い限り地上に出る事はない。
どうしても地上に出たり、繁殖したりする必要があるときには、3時間ほどかけて変形する。
 これは猛烈に痛みを伴うようで、よって中々、変身する事はない。

 普段はプールの中でのんびり泳いでいる。青く長い髪と、真っ白な肌が自慢の種。花が好き。水温が高いと死にそうになる。
 王子を馬鹿にしている。田舎者であることをばかにされると大激怒して尻尾で水を叩く凶暴人魚。 水の中で服を着ることはない。
 王子だけではなく、人間全般が嫌いなようだ。 嫌な事を聞くと、すぐ水の中に逃げる。

歌がうまい。気が向くと、竪琴を弾いて歌を歌ってくれる。
 物語の後半に行くにしたがって都会風の言い回しを覚えたのか、方言が減る。

 王子が出奔したりすると、田舎ではとっても恐ろしいバツイチになってしまうので、これを阻止するために動く。 せっせと田舎に、私は幸せに暮らしていますと、嘘を書き送るのが趣味。花を持ってきてくれる王子を、メッセンジャーにしている。手紙を見たら殺すと念を押して。
 

セリフ
「なんだべさ! そんな顔してぇ。なっさけなかぁ。」(すまして)
「お、おらは、そったら事言った事はねぇべさ!」(顔を紅くして大激怒。)
「バカー!」(叫んでから水の中に飛び込む)
 

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