EVE~元気なまりな~パート2

あらすじ

まりなはとある事件の捜査のため、小次郎、氷室を探していた。
しかし、氷室不在のため小次郎だけでけではサイバーテロ関係のため、無理と判断。
そこで、元内調捜査官「桐野杏子」の夫となった「江国雄二」を頼ることを判断したまりな。
杏子と雄二の所在を調べるため、一路本部ビルの本部長のもとへと向かった・・・・・・。


―本部ビル―
【まりな】本部長!!

【本部長】わっ、なんだね!!

【まりな】・・・・・・何だとは何よ。

【本部長】だって急に入ってくるもんだからビックリするよ。

【まりな】・・・なによ・・・急に入って来られちゃ困ることでもしてたの?。

【本部長】いや、別にそうは言ってないけどね・・・。

【まりな】・・・あ、さては・・・。

【本部長】・・・何だね・・・・・・。

キョロキョロ ガサゴソガサゴソ

【本部長】わっ、ちょ・・・何やっとるのかね?。

【まりな】さては香川さんが何処かに隠れているんでしょう?。

【本部長】んなわけないでしょ!!。

【まりな】ふーん、怪しいもんだわ。

【まりな】あっ!。

【本部長】うわっ、今度はなんだね。

【まりな】ははぁ、さてはその机の下で変なことをしてたのね、汚らわしい・・・。

【本部長】あのね・・・・・・僕が昼間っからそんな事するわけないでしょ。

【まりな】そんな事ってどんな事よ。

【本部長】何だろうね・・・。

【まりな】・・・・・・。

【本部長】・・・・・・。

【本部長】オホン、それよりもいったい何の用かね?

        ポン!!

【まりな】そうよ、ヒゲ面のタヌキおやじを見ていたらすっかり忘れていたわ。

【本部長】一応、上司なんだけど・・・・・・。

【まりな】杏子と雄二君の住所教えて。

【本部長】きょうことゆうじ?。 【まりな】そうよ。

【本部長】きょうこって・・・・・・桐野・・・杏子君のことかね?。

【まりな】そうよ、ほかに誰がいるのよ。

【本部長】いやぁ、僕はてっきりいきつけのバーのキョーコちゃんのことかと思っちゃったよ。ナハハハハ。

【まりな】・・・・・・。

【本部長】でも、杏子君はもう内調の人間じゃないんだよ?。

【まりな】いいから~~さっさと教えなさいーー。

   ビュイ~~~~~~~~ン

【本部長】イタタタタ・・・・・・ヒ・・・ヒゲを引っ張らないでよ。

【まりな】教えるの?教えないの?

   ビュイ~~~~~~~~ン

【本部長】イギャッッ!!!!!!!??????
ふぁひふぁふん、はわはべふぃっはってふよ。
※注(まりな君、皮までひっぱてるよ)
【まりな】あ~ら、ごめんなさ~い。


【本部長】ふぅ・・・ふぅぅ、き・・・君ねぇ仮にも上司だよ?
何かお約束になってない?
【まりな】ふん、さっさと教えないと今度はアレを引っ張るわよ。


【本部長】ま、まりな君・・・・・・君は女の子なんだから、そんなふしだらな事いっちゃダメだよ・・・。

【まりな】あら?私はその天狗のように伸びきった鼻を引っ張ってやると言っただけよ?スケベオヤジ。

【本部長】・・・・・・。

【まりな】もぅ、いいから早く教えてよ。

【本部長】杏子君の所に行ってどうする気かね?
まさか今回の事件に関係することじゃないだろうね?


【まりな】なによ・・・教え子の所に行くことがそんなにダメな事?

【本部長】別にダメとは言っとらんがね、な~んか怪しいなぁ・・・。

【まりな】な・・・何がよ。(クッ、相変わらずするどいわね)

【本部長】まりな君、確か君が追っている事件は巷をにぎわしているクラックを一環としたテロ事件だったよね?

【まりな】・・・そうよ。

【本部長】事件に関しての詳しいサポートスタッフを貸して欲しいのならサポートにつけてあげるから。
意地を張らずに・・・ね?


【まりな】これは私の意地なの!!絶対やり遂げてみせるわ。
それにサポートを付けると言ったってろくなのがいないのでしょう?


【本部長】まぁ君に匹敵するような人物はいないけど、優秀なスタッフは何人かいるよ。

【まりな】あら?そんな人は見た事ないけど。

【本部長】ヒ・・・ヒドイよまりな君・・・・・・。


【本部長】あとそれにねぇ、もうちょっと落ち着いたらどうかね?
君ももう三十路・・・・・・


【まりな】ギロリ!!!

【本部長】こ・・・怖いよまりな君~~。

【まりな】さっさとお・し・え・ろーーーーーー。

【本部長】わわわワカったから。

【まりな】は・や・くーーーーーー。

【本部長】トホホ・・・・・・。

甲野本部長は机の引き出しからメモを取り出し、机の上の端末からアドレスを開き、メモをとった・・・。

【本部長】ハイッ、書いといたよ。江国と住所はなっているから
二人ともそこにいると思うよ。


【まりな】わぁ、ありがとう。だから本部長ってだ~い好き。

【本部長】もぅ・・・こんな時だけ。

【まりな】本部長殿!!

【本部長】ハ・・・ハイッ!!

【まりな】私、法条まりな元一級捜査官ただいまより行ってまいります!!

【本部長】ちょ・・・ちょっとちょっと、何処に行くのよ。
まだ話は終わってないのよ。それに君はまだ一級捜査官だよ。


【まりな】ふんっ。なによ、私知っているんだからね。

【本部長】な・・・何をだね。

【まりな】私の進退問題よ。

【本部長】ギクッ!!

【まりな】私を捜査官から外そうとしていたそうじゃない。

【本部長】ま・・・まりな君誤解だよ。別に外そうとしていたわけじゃないよ。

【まりな】へぇ~~、どういうことかしら。

【本部長】だ・・・だからね、君はよくやったよ。 僕自身の意見としてはまた、教官の立場に戻ってもらって、影からこの内調を盛り立てて
もらおうと意見を出した所、上の方がいろいろとちょっかいをだしてきてね、大げさになったんだよ。


【まりな】・・・・・・。

【本部長】片腕が満足に使えないなんて捜査官として資格がない~とかいってきてさもう最後のほうは大変だったんだよ。

【まりな】ふ~ん、・・・・・・香川さんね。

【本部長】ドキッ!!

【まりな】まぁ、あの人なら何とでも言いそうね。ところであのオバン最近見ない      けど何処にいったの?

【本部長】香川君なら今出張中だよ。

【まりな】あら?私、香川さんなんて一言も言ってないわよ。言いつけてやろっと。

【本部長】ちょちょちょちょ、ま・・・まりな君ひどいよ。

【まりな】ふん!。

【本部長】ふぅ。まぁね、まりな君。
結果的に君の意見を尊重してあげて君は一応監査がついてはいるが、一級捜査官に変わりはないから。
無理をしない程度に頑張ってよ。ね?


【まりな】・・・・・・わかったわよ。一応本部長には感謝しているんだから・・・・・・。

【本部長】ん、よろしい。

【まりな】あと・・・・・・。

【本部長】ん?なんだい。

【まりな】・・・・・・。

【本部長】ああ、藤井ユカ君の事かね?

【まりな】・・・・・・。

【本部長】大丈夫だ。彼女のことは心配いらない。別部署だが君と同じ一級捜査官を護衛につけている。

【まりな】・・・・・・そう。よかった・・・。

【本部長】まぁ君自身が守りたいという気持ちはよくわかる。だけどそれは君自身がよくわかっているね?

【まりな】・・・えぇ。

【まりな】あの子・・・元気にしているの?

【本部長】ああ、元気にしているよ。
ただ・・・・・・。


【まりな】ただ?

【本部長】う~ん・・・こういう事を君に言うのは酷かもしれないが、やはり君が自分自身のせいで殺されかけていたのがよほどショックだったみたいだ。

【まりな】・・・・・・。

【本部長】自分の母親、父親が自分の身を守るために死んでしまい、
そしてまた会ってまだ数日間だったとはいえ彼女自身が慕っていたまりな君が自分の身を守る為に殺されかけた・・・・・・。


【まりな】・・・・・・。

【本部長】あの年頃の頃の子にとってはかなりキツイ出来事だったろうねぇ・・・・・・。

【まりな】・・・ユカちゃん・・・・・・毎日の様に私の病棟まで来てごめんなさい・・・ごめんなさいと涙を流して謝っていたのよ・・・。

【本部長】その様だったみたいだね。

【まりな】私自身も辛かった・・・はっきり言って・・・・・・。
そんな彼女を見るのが・・・。


【本部長】・・・・・・。

【まりな】そんな彼女に私は言ったの。

【まりな】あなたの身を守るのが私の仕事であり、私自身に課せられた責務なの・・・と。
だからもう泣かないでねって。


【本部長】・・・・・・。

【まりな】この傷は決してあなたのせいじゃない、だから元気をだしてってね。

【本部長】ほう・・・そんな事があったのかね。

【まりな】えぇ・・・・・・。

【本部長】まぁ、なんにせよあの男も生きている可能性があるということもあるし謎も多く、
まだまだ予断を許せないといった状況だね。
厳重な処置が必要だ。
もはや内調だけでは対処は出来ない。間違いなく・・・。


【まりな】本部長・・・・・・。

【本部長】ん?

【まりな】私・・・私すごく悔しい・・・・・・。

【本部長】・・・・・・。

【まりな】あの時も一つ間違えば、またあの時のように・・・。
あの時のように繰り返していたかもしれない・・・・・・。


【本部長】まりな君・・・・・・。

【まりな】私・・・私・・・・・・。

【本部長】まりな君・・・でもね、君はあの時自分の身を犠牲にしてまでユカ君を守ったんだ。
それは紛れもなく事実なんだから。


【まりな】うん・・・グスッ。

【本部長】だから君も元気をだして・・・まりな君・・・。

【まりな】な~んてね。

【本部長】はっ???


【まりな】なに辛気臭くなっているのよ。
私が落ち込むわけないでしょ?


【本部長】ちょ・・・・・・。

【まりな】さ~て、さっさと行ってこよ~っと。
じゃあね~本部長!


【本部長】・・・・・・。

      ・

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【まりな】ふぅ・・・危ない危ない。本部長に情けない所見られる所だったわ。
でも・・・・・・。本当に悔しい・・・。情けないくらいに悔しい。


【まりな】・・・・・・でも。

【まりな】でも、今自分自身がやれることを精一杯やるだけ。
精一杯・・・・・・。


【まりな】おっと、もう夕方になりかけてるわ。急がないと。

【まりな】さぁ、気を取り直して杏子の家に行くわよ!

【まりな】・・・・・・。

【まりな】元気をだして・・・まりな!!

                    つづく