EVE〜元気なまりな〜パート1

プリーチャーによる事件より約半年、
   まりなはまた新たな事件の捜査を開始していた・・・・・・


 まりなは約5ヶ月のリハビリ生活を終え、完全には完治をしていないが
まりな自身が強く志願し、現場の復帰を果たしていた・・・・・・。
しかし、その右腕は感覚的には全盛期の頃の60%しか回復せず、
周囲の不安が懸念されていた・・・・・・。
まりなはある事件を追うため、その事で桂木探偵事務所に向かった・・・・・・。



        ―桂木探偵事務所―


【まりな】はろはろ〜〜

【机に向かう男】いらっしゃいませ。どのようなご用件でしょうか。
         我が探偵事務所はいろいろな・・・

【まりな】そんなのどうでもいいのよ、弥生はいる?。
     所長室へ通してもらうわよ。

【机に向かう男】ちょ・・・ちょっと、困ります。勝手なことをされては。
         それに所長は今、席をはずしております。

【まりな】え、いないの?

所員は不安げに、まりなは残念そうな面持ちになった。

ガチャ・・・・・・

【弥生】なんだ騒々しいな、外まで聞こえるぞ。

【机に向かう男】あ、所長お帰りなさいませ。

【まりな】はろ〜〜

【弥生】なんだ・・・。やっぱりまりなか・・・・・・。あ、君もう仕事に戻りたまえ。
    この女性は私の知人だ。

【机に向かう男】はい、わかりました。

男はそう一言残し、自分の机へと向かった。

【弥生】久しぶりだな、まりな。怪我のほうはもう大丈夫なのか?

【まりな】ええ・・・・・・、ちょっとまだ痛むけど。
     それよりも弥生、小次郎は来てないの?

【弥生】・・・・・・まりな。

【まりな】ん?

【弥生】もうアイツがここにいるわけないだろ?

【まりな】え、どうしてよ?

【弥生】アイツはもう過去の男なんだ。

【まりな】まさか、また喧嘩したの?でもいつもの事じゃな〜い。

【弥生】・・・・・・。

【まりな】・・・・・・。

【弥生】・・・・・・。

そのセントラルアベニューの活気あふれるオフィスビル街の
中で、そこだけが一瞬静寂に包まれた・・・・・・

【まりな】・・・ごめん・・・。

【弥生】いいよ・・・別にまりなが誤ることはないよ。

【弥生】それに・・・

【弥生】それに、アイツに用があるのなら天城探偵事務所に直接行けば
    いいだろ?

【まりな】うーん・・・あまりあの辺りをうろつきたくないのよねー。

【弥生】なんでだよ。

【まりな】この間、あそこで腐乱死体が出たのよ。

【弥生】腐乱死体?

【まりな】やっぱりあの辺り一帯、治安が悪いのよね〜。
     それにあの事務所・・・日当たりも悪いし・・・。
     だからひょっとして、ここにいたらラッキーと思ったんだけど・・・。

【弥生】そう・・・・・・残念だったな。

【まりな】それでね、面白いことに現場の警察官の話によると、
     発見したのが小次郎だったらしいのよ。

【弥生】・・・・・・。

【まりな】腐乱死体のあった場所は、何年も放棄されていた荷台の中に入ってて、
     しかも、見つけたのは夜だったらしくて、酔っ払って
     ちょうどそこにもたれかかった時に、蓋が開いちゃって
     めでたくご対面〜〜ってわけ。

【弥生】・・・・・・。

【まりな】そのままビックリして泡ふいて倒れていたところ、
     朝の船乗りの人に助けてもらったんだって。

【弥生】・・・・・・。

【まりな】あいつも結構小心者よね〜〜。

【弥生】まりな・・・・・・。

【まりな】え?

【弥生】・・・・・・。

【まりな】あ・・・ごめん・・・。

【弥生】・・・・・・。

【弥生】それよりまりな、こんな所で油売っていて
    いいのか?

【まりな】あ、そうだった私にはしなくちゃいけないことがあった。

【弥生】私もそろそろ仕事のほうに戻らせてもらうよ。

【まりな】うん、じゃあ事務所のほうに行ってみる。
     突然でゴメンね、時間使わせちゃって。

【弥生】まりなの突然はいつもの事だろ。

【まりな】ハハッ・・・、じゃあもう行くわ。
     今度落ち着いたら一緒に飲むうね。

まりなが桂木探偵事務所の出入り口に差し掛かった。

【弥生】あ・・・まりな・・・・・・。

【まりな】ん?、なに。

【弥生】いや・・・何でもない・・・。

【まりな】そう?、じゃあね。

【弥生】・・・・・・。

桂木探偵事務所を後にした・・・

   






【まりな】うーん、今度ばかりはいつもと違うようね・・・。
     小次郎もちゃんとつかまえてあげればいいのに・・・
     まぁ、氷室さんがいるからなぁ。

【まりな】ん?氷室さん?

【まりな】そういえば氷室さんて小次郎に愛想尽かして出ていった
     ような気がする・・・・・・。
       じゃあ、あいつのところにいっても意味がないじゃない。
     こういったことは氷室さんじゃないとダメなんだから・・・。

      【まりな】じゃあ、どうしよう・・・。ほかに頼める人は・・・。
     内調の人間にこんな事を頼める人はいないし・・・・・・。
     別部署には頼めないし・・・・・・。

【まりな】う〜〜ん。内調・・・内調か・・・・・・。

      【まりな】そうだ。杏子と結婚した確か名前は・・・えーーと、
     えーーーと・・・そうだ!!

【まりな】江国雄二君よ。そう、雄二君よ。
     彼ならコンピューター関連に詳しいし、何とかしてくれるかも
     しれない。現に、LOST ONEの解明に一役買った
     のは雄二君だし、杏子のアホの顔を拝みに行くのも
     いいかもしれない。

【まりな】よし、そうと決まったら杏子の所へいくわよ。

【まりな】・・・・・・。

【まりな】・・・・・・。

【まりな】・・・・・・場所・・・どこだっけ?

【まりな】杏子のバカがちゃんと住所なりをハガキにして
     送らないからよ。

【まりな】本部長なら知っているかもね。
     よし、本部ビルまで行くわよーー。

こうしてまりなは、勢いよく本部長のもとへと
向かったのである・・・・・・。

                               つづく・・・・・・