「そう。最後の質問です。あなたは、戦士ですか。」
「いや、サムライです。…今はそれですらない。敗者。勝たなければならないときに負けた。
最低の。」
「…若いのだもの。ばあやから言わせてもらえば、それは、若いうちには、当然よ。」
「…」
妹人がそうは考えていないのは確実だった。年を経た女官は、ため息をついて包帯を結び終える。
ドアが、開いた。
「ばあや、マイトは?」
まだ髪も乾いていない、水の巫女だった。
「はしたないですよ。急いで来て。…質問は、終りです。」
「分かった。」
「ねえ、聞いて。いいことを考えたの。いいことよ。」
「なんですか。」
「マイト。あなた、私に助けられた。そうよね。」
「…そうなる…のかな。」
「そうよ。きいて、ばあや。彼が祭に出て優勝するのはどう?」
「…」
「なんのこと。」
「いいから。どう?」
「…残念ながら。」
「どうして!?」
「彼の体は、フェンサーではありません。」
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