語 句
トゥウェルプ・テラ  HC530年代、300年近い時を使った人類の一大プロジェクト、地球再生計画で木星から再生量産された地球型惑星の一つ。
 旧地球軌道に置かれ、他の39個の惑星とともに太陽を巡る。

 もっともこの頃には人間の大部分が宇宙に出ており、地球に頼る必要性はあまりなかった。
 不経済な重力井戸としての側面の方がより大きなデメリットとしてこの時代の人間に映ったのである。

 HC612より開始された、今はデータバンク上のものになっていた「原種」の人間達の学術的な再生計画<プロメテウス>(俗称オリュンポス)は、こうした空気の中ではじまった。

 トゥウェルプ・テラ(第12地球)は、設計時の誤差で、地表を覆うはずの大量の水が地下に潜ってしまった惑星である。
 この程度の事故は、この時代の惑星設計では良くある話で、中には惑星化出来ずに太陽に食われるガスクラウドになってしまった5つのテラもある。

 水資源が地下の川、および海とも呼べる広大な地底湖の形で地下に潜っているため、地表は砂漠化し、雲は少ない。
 人類は、これを改善するために地下の水を空気中に放出する生物機械<イグドラシル>を地表の各所にばらまいたが、これが完全な海を持つ、地球型になるまでには1000年もの時間が必要とされ、経済的な観点からの利用は完全に放棄されてしまった。

 そこに「原種」がばらまかれたのは、そこが楽園だったからではない。誰も欲しがらなかったからである。
 余興にもにた気分の天上の神々によって、人は捨てたはずの地上に縛られる…
 

 900年もの後、この星は広大な地下空間を擁するために秘密の軍事基地・あるいは気圏戦闘機の訓練場として利用され、シヴァの建造が行われた。

トラム  都市を走る公共交通機関。 水素の心臓を持つ生物系半永久式浮遊車であり、決められた溝の上を3cmの高さで走行する。念動力(テレキネシス)で浮かび、動作する。ほとんど無音。
 エサは太陽光と走行中に前面にぶつかるゴミ。夜は停車する。
時速10kmで走る内周トラムと60kmで走る外周トラム、天界の街から天界の街に移動する時速500kmの超高速トラムからなる。 内周トラムは無料。
 いずれも形状が異なり、内周卜ラムは壁がなく、また停車もしない。駅も無く、ひっきりなしに走行している。 外周トラムは閉鎖系で、電車のような向かい合う形式の座席を持つ。
 超高速トラムは高級な地上人のため存在する。そのために、かなりゆったりとつくられており、座席はリクライニングになっている。
 外周と超高速の方にはさすがに駅があり、キーパーというこのために作られた種族が、これらトラムを管理している。
 キーパーはトラムと対話することが出来、人間に対して奉仕する奴隷的な精神を持つ。
トラムの墓場  気味悪がって誰も近付かない街の一角にある場所。
トラムの死骸と死期を悟ったトラムが集まっており、最後まで世話をするキーパー達がいる。

 死体をあさる鳥が上空で円を描いており、キーパーの悲しい歌声が聞こえる。
実は、身を隠すのに絶好の場所だったりする。

キーパー  トラムを管理するために、トラムともに作られた奴隷種族。キーキー声で話す。
元はウォンバットであり、少しは知能がある。 希に人間の捨て子を拾って育てることもある。
 人間には分からないトラムの言葉を理解でき、トラムを治療する術が使える。
トラムに深い愛着を持ち、死んだトラムを悲しんで歌を歌う。
 ボロ布を纏い、キーパーである証の長い杖を持ち、都市の残飯をあさる。
非常に数が増えやすい性質であり、トラム規模から多すぎるようだと同じネズミのレミングスのように自殺する。
 人間に捕まっておもちゃにされ、殺されることもある。
人間には逆らわないように設計されており、無害である。身長50cmの丸い奴。
ウイング  背につける個人用電気ジェット。高度500mまで上昇可能で、時速は50km程度まで出る。
重さは3kg程度。 都市警察が使用する仕様では時速で100km程度出る。

 航続距離40kmはそれほど長くないが、都市から大きく離れないことを前提にしているのでので問題はない。充電は充電所で行う。
 天界の街でしか見られない。

モノクロス  関節工学の落とし子である、一つ目の一輪車。サイボーグ系の生物である。
一人から二人乗りで最高時速250km以上を出して安定した走りをすることが出来る。
 もっとも上記の性能を引き出すには、乗り手と呼吸をあわせて重心移動、およびアクセルワークする必要がある。乗り手しだいで性能は大きく変わる。
 時速100を越えた辺りから透明な角質カウリングを展開し、最高速度近くでは乗り手は体を伸ばして、伏せのポーズで運転する。
 本来、トゥウェルプ・テラでは見掛けられないものだが、秘密裏に輸入や製作されているものが結構あるようである。 ここらへんはマンタンクに同じ。
水源の木
(イグドラシル)
 トゥウェルプ・テラにおいて、地下深くに潜った水資源を地上に引き上げるために天界の者達が作り出し、地上の各所に落とした種。そこから生まれた全長で300mを越える超巨大樹。
 ポンプの働きをしており、幹にはコンコンと水が涌いている。
構造的には、鳳仙花に近い。
町の中心にあり、人は不毛の大地で、その木に張り付くようにして生きている。
 たとえ…種がはじけとぶために家々が壊される被害が出ることがあっても。

この木が、1000年もしないうちにこの星に、地球と同じ海や雲を産む事だろう。

空港  天界と地上をつなぐ、唯一の場所。空港の名前が、都市の名前になっている。<ダズン>
中型の垂直離発着式の低軌道船が4機まで泊まる。
 この星は閉鎖されているので、物や人の流通は原則としてなく、従って軌道エレベーターも作られていない。
 自動歩哨機(機関銃を持ったマンタンク)が立っており、立ち入ろうとする地上人をかたっぱしから射殺している。
地下空洞  トゥウェルプ・テラの地下に広がる、総延長600万kmとも言われる地下水路・地底湖・地下空洞の一つ。
 ダズン貧民街の地下にあり、トラムの墓場からつながる秘密の道を通って至る事が出来る。
キーパーだけがこの場所を知っており、キーは、良くこの場所で一人、考え事をしていた。
 薄暗く、光はほとんど射し込まない。夜になればいくつにも連なる地球の光で、青白く輝く神秘的な場所である。 キーに案内されたマクシミリアンとスズランがこれを利用して一気に中心地区に出た。

物語の最後、爆発物で出来た穴を伝って、ここに人々が住み始めることになる。
 この、水資源あふれる新しい街を、人々は自分達を救った、一人の歌手の名を取ってロックと呼ぶ事となる…

中心地区  街の中心部。天界の者が作った建物群であり、一際高い場所に、光り輝くように見える。
高いとはいっても、この星の水準からの話で、本国金星の2000m級の高層建物とくらべると、おもちゃみたいなもんである。
 資材を持ってきて、あっという間に組み立てたユニットビルディングのため、箱を組み上げたような形になっている。
 掃除種族、警察種族、蚊=調査種族などが放たれており、地上人は立ち入り禁止。
神殿とやゆされるフェイクボディの保管庫がある。
商業地区  中心部から公園地帯を挟んで少し離れた場所に作られた地上人の街。
天界と取引する機会に恵まれた特権階級であり、豪商達によって運営される。
 警察も天界からの指導のもと、豪商達の資金協力で作られている。
治安は良く、かなり安全であり、貧民地区とは城壁によって隔てられている。
 学校や病院などもある。 貧民地区から侵入されることを警戒し、ゲートや城壁を中心に結構な数の警官が歩哨に立っている。
 とは言え所詮は地上人の街。建物はせいぜいがレンガ、道は石畳である。
技術者などを擁する工房と、イグドラシルから引いた湖を持つ。
貧民地区
(ダウンタウン)
 商業地区を取り巻くように幾重にも広がる貧民街。
トラム・ラインはいつも治安警察によって「掃除」されている。
 貧民地区にも色々グレードや主に出身地によるテリトリーがあり、
商業地区に近いところでは、まだましな生鮮市場、露店、古着屋。少し離れ、入り組み、警察の手がおよばなくなると、色街や盗品市場、麻薬窟、占い、闇の心臓屋、奴隷市場などが広がる。
 一番貧しい新参者は水も乏しい外縁か、あるいはトラムの墓場近く、あるいは地下の駅に住む。失業率は7割を越える。

 貧民地区は無計画で勝手な住民が勝手に拡張、工事したためにほとんど迷路と化しており、衛生状態も悪く、そのためか変な臭いがするところ(用を足す街路など)がある。
 また、ひとたび火事がおきると延焼が延焼を呼び、凄い数の人間が死ぬ。

魔法使い  瞬間的に水素の心臓の設計と改良を行う能力を持つ者。
特殊な才能の一つであり、後天的に習得するのは不可能。
 この時代における人間の適応かもしれない。得意な分野により、いくつかの体系がある。
偽体
(フェイクボディ)
 天界の者がてっとり速く地上に出るとき使う手段。
地上で保管されているフェイクボディに自分の情報をダウンロードして運用する。
戻るときはアップロード。残った自分は普通消す。
 所詮偽物、フェイクボディなんぞなんでも良いのだが、生理的な違和感の関係でなるべく本体に近いフェイクボディを使うようである。
 天界の者は長距離の街から街への移動を、これを使ってやるので、トラムは要らないのである。
ウーツェー  トゥウェルプ・テラに存在する無地宗教国家。HC700年初頭、反乱を起こして地上に逃れた、神知者達によって建国された。

 地図上ではウーツェーなる国は存在せず、12の王国、34の共和国の民が信心の上に存在する、領土無き国家である。

 聖地アスモデウスに本拠を持ち、法王と12の高司祭によって運営される。
地上に降りる際に持ってきた「水素の心臓」を改良しつづけ、運用しており、この星では圧倒的な戦力を保有する。 信仰を捨て人でない人となった、聖堂騎士団(定数150)である。

 いつか天界に戻って戦う事を夢見、そのための準備を着実に進めるというテロ組織としての側面もある。

神知者  根元種族を信仰する宗教。あるいはその個人のこと。
根元種族の調査を行った科学者の一人が開祖とされ、彼女はそこで神を知ったという。
 根元種族との対決を考え始めた人類の首脳部に反感を抱き、既存の宗教団体を糾合して、HC0144頃、大規模なテロ活動に出ている。
 これは鎮圧され、その活動は地に潜る事となった。
<<【 BACK 】 【 RETURN 】